研究概要 |
インターネットはパケット交換方式なので,リアルタイムの通信には不向きであると言われる.特に,多くのソフトウェアでは音声はプロトコルとしてUDP/IPを使うため,その途切れが問題とされている.本年度はこの原因を確かめるためにまず予備実験として附属高校大泉校舎と大学にシステムを設置し,同じUDPを使う映像パケットの捕捉を行った.ソフトウェアはNetMeetingおよびCU-SeeMeを使って比較検討した. その結果,NetMeetingは比較的データ量が少ないため,送出パケットと受信パケットの数はほぼ同じであるが,CU-SeeMeはデータ量が多く,送出パケットの10〜20%程度が欠けることが分かった.また,CU-SeeMeのリフレクタは音声の遅延を大きくする原因であることも判明した. このような背景のもとにNetMeetingを利用した遠隔指導システムを構築し,教育実習の遠隔指導の実験を試みた.その結果,音声の途切れはほとんどなく,明瞭な音声の通信が実現でき,参加した専門教官からはほぼ実用の域に入ったという評価を得ることができた.今年度はモノクロ画像で行ったが,来年度はカラー画像による実験を行う予定である.
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