研究概要 |
近年,情報通信分野の技術発展は著しく,特に情報システムのインフラとしてのコンピュータネットワーク技術の進歩は計り知れないものがある。また,マルチメディア技術も飛躍的に向上し,パーソナルコンピュータにおいてもマルチメディアを利用することが可能となった。このような技術を利用した遠隔教育システムは,物理的,時間的問題を超えた教育の新たな形態として,期待が寄せられている。 本研究は,このような背景を受け,現在基盤となっている低帯域ネットワークを利用した教育実習の研究協議会における遠隔指導と,将来社会的基盤として整備される高速・広帯域ネットワークを利用した実験形式の授業における遠隔指導実験を行い,それぞれのコミュニケーション方法に関する基礎データの収集を行うことを目的とする。具体的には,教員養成大学としてのネットワーク利用の一つの指針として,低伝達帯域のネットワークを利用した教育実習の研究協議会における遠隔指導実験を行ない,実習生,附属学校の指導教員および大学の専門教員に対する有効性を検証し,遠隔指導において具備すべきシステム構成を考察した。また,遠隔からリアルタイムに研究授業を参観し,その直後に研究協議会を行い,遠隔指導の可能性および遠隔から授業を参観するときの有効性,大学の専門教員の参加による有効性を検証した。研究協議会における遠隔指導支援システムの開発を行った。さらに,高速・広帯域ネットワークの新たな教育利用を考え,遠隔からの3次元の物体を対象とした実験指導に関する研究を行うため,基礎実験として,高速・広帯域ネットワークを利用し「パソコン組み立て実験」を行い,遠隔実験指導における課題の検証および学習者側のコミュニケーションの方法を明らかにした。
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