研究概要 |
本研究では、高等教育の改善を目的として設置されたSCSを、遠隔地を映像音声交換を中心として接続するメディアとして試験的に位置付けて接続するとともに、それぞれの大学局と学校現場の間をISDN通信回線を使った映像音声伝送装置で接続した、SCSとISDNを組み台わせた多地点遠隔共同学習システムを開発し、臨場感のある状況下での児童間の相互交流による共同学習の効果を検討している。 平成11年度においては、小学校6年生を対象として,SCSとISDNを利用したテレビ会議システムを組み合わせ,「総合的な学習」用コンテンツを収録したCD-ROM活用の「土」をテーマとした「総合的な学習」に関する遠隔共同学習を9月から12月まで3回試み,遠隔共同学習への興味関心・意欲態度・学習期待,及びシステムの機能面の受け止め方に及ぼす影響を調査した。第1回は,秋田県内A小と東京都内B小の間をISDN通信回線を利用したテレビ会議システムで結んで行った。第2回は,秋田大学と上越教育大学をSCSで,上越教育大学とB小をISDN通信回線を利用したテレビ会議システムで結んで行った。A小の児童はSCSスタジオから参加した。第3回は,秋田大学,鹿児島大学,上越教育大学をSCSで,上越教育大学とB小,秋田大学とA小をISDN通信回線を利用したテレビ会議システムで結んで行った。鹿児島県内C小の児童はSCSスタジオから参加した。その結果,遠隔共同学習に対する興味関心,意欲態度,学習期待,ならびに,質問・意見等の発言意欲が高く,相手校の児童と共同して学習しようとする姿勢がみられた。しかし,SCSとISDN利用のテレビ会議システムを組み合わせた場合,特に画像に関して圧縮と解凍を2度以上繰り返すことになりそのときの画質の劣化はかなり大きく,今後,システム構成の問題点として検討する必要があることが判明した。
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