研究概要 |
本研究では,大学における教育研究や企業その他への応用に対して,世界的な視野で遠隔教育についての研究を進める.産業や企業の国際化を含む最近の社会的,経済的状況の下での大学院教育を中心として検討し,特に社会人学生の就学上で時間と距離の克服,交通問題,環境問題等の解決に大きな効果が期待される遠隔教育の必要性を明らかにする.これらの検討にもとづいて,現在及び将来のニーズに対して最も適当と考えられる遠隔教育システムおよび適用方法のソリューションを見いだすべく研究を進めている. 平成10年度は,次の通り研究を進めた,テレビ会議システム技術の国際標準について調査し,適用するネットワークとして,電話網(ISDN,ATMを含む),インターネット,衛星通信を検討対象として取り上げた.先ず,ISDN利用の各種TV会議システムについ伝送帯域,画像・音声品質及び操作性等の各種要因について比較検討を行ない,装置価格や通信コストとの関係について解析した.また.朝日大学名古屋サテライトを利2用して実施中の大学院経営学研究科の遠隔授業において,受講者に対してアンケート調査を行い,遠隔教育の効用を明らかにするとともに,改善すべき問題点を抽出した.さらに,国際協力協定を締結しているカナダケベック大学モントリオール校(UQAM)との間でISDN回線を利用して遠隔教育の試行を行ない,国際遠隔教育の実現性について予備的な実験を行った.これらの研究成果を,内外の学会および学術雑誌に発表し,また国際的学術雑誌(IEEE Communications Magazine)の遠隔教育についての特集号を研究担当者がゲストエディタとして編集した.
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