研究課題/領域番号 |
10680237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育工学
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研究機関 | 筑波技術短期大学 |
研究代表者 |
大沼 直紀 筑波技術短期大学, 教育方法開発センター(聴覚障害系), 教授 (20169022)
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研究分担者 |
平根 孝光 筑波技術短期大学, 建築工学科, 助教授 (90218793)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 高齢難聴者 / 難聴の自己評価 / 聴覚情報補償 / 補聴器のフィッティング / 補聴効果の評価 / 簡易語音聴力検査リスト / 難聴の聞こえのシミュレーション / テレビ音声補聴用狭指向性スピーカシステム |
研究概要 |
1)高齢難聴者が日常生活においてどのような聞こえの不自由さを持っているか自己評価することにより障害認識し、補聴器等の聴覚補償機器の選択と活用の意欲を高めさせるための簡易チェックリスト、「きこえにくさの自己評価チェックリスト」及び「テレビ聞こえの不満度チェックリスト」を作成した。 2)上記1)のチェックリストを使用して高齢者の聴覚情報補償に関する全国規模の意識調査(アンケート調査対象600名)を実施した。 3)その結果、60歳以上の者の3.1%が現在補聴器を利用し、性別では、男性が4.1%、女性が2.1%であった。年代別では、60代前半では1.0%と低いのに比べ、60代後半で4.0%に、70代前半で4.4%と、60代後半から70代前半にかけて補聴器の利用率が高くなる傾向が見られた。また、聞こえの自己評価の結果から、60歳以上の者全体のうち7.7%が聞こえに問題を持ち、70代前半では、補聴器の装用あるいは補聴相談の対象とすべき候補者と思われながら、まだ適切な聴覚補償の支援を受けていない高齢者が10%以上存在すると推定された。 4)補聴用狭指向性スピーカシステムを開発し、高齢難聴者が同居する家族と一緒の部屋でも音量の大きさで迷惑をかけずにテレビの音声聴取の不満を軽減する聴覚情報補償の対応策を考案した。 5)高齢難聴者の日常生活における聞こえの補償手段として補聴器が適応される場合の条件を、難聴の程度と使用場面について整理し、補聴器の機種選択と音響特性の処方について、耳穴形補聴器、耳掛け形補聴器、ポケット形補聴器、デジタル式補聴器、FM式補聴器のフィッティング方法を検討した。 6)単音節の受聴明瞭度を指標にした従来の成人用語音聴力検査法が適応しにくい高齢難聴者のための人名等を用いた簡易語音聴力検査リストを作成し、補聴器の装用効果か評価しやすい語音聴力検査法を開発した。 7)高齢難聴者の聞こえの特徴を最も顕わす3つの場面(高周波成分を含む子音の聞き誤り、周囲の騒音による聞き難さ、早口の話しの理解し難さ)を中心に難聴の聞こえを擬似体験できるシミュレーションプログラムとシステムを開発し、シニア・シミュレーションとして公開した。
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