従来、保育指導であまり利用されていない幼児の作品(絵や造形)、幼児の発育・身体情報(全身体形、手形、足形などの画像データ)や動きを伴う運動や遊びなどの情報を、コンピュータを用いて一元的に管理するマルチメディア・データベースの基本的なシステムの構築は完了した。そして、蓄積したマルチメディア・データベースは、画像解析などの必要な分析処理を加え、より教育現場が利用しやすい情報に加工して提供した。また、インターネットを利用して遠隔地の教育現場との間で、教育指導や情報交流を実施するためのホームページを作成した。現在、情報交流や情報保護のあり方について、実験園との間で実用に向けた実験を行っている。以下に、具体的な成果について述べる。 "(1)"幼児の日常活動の中で得られた作品、運動や遊びなどの園児の行動、運動能力の測定、全身体形・足形などを採取し、日常園活動の中での教育指導システムの運用方法を確立した。 "(2)"それらの実験データなどからマルチメディア・データベースを構築し、必要なデータ更新・検索、データベースに分析ツールの組み込みなど、必要な情報の管理を可能にした。 "(3)"全身体形、足、手形などの画像データについては、画像解析やファジィ推論、ニューラルネットワークなどの解析アルゴリズムを利用して分析評価した結果を、他のデータと同様にデータベース化を実施した。 "(4)"インターネットでの教育指導や情報交流を行うためのホームページを作成し、教育現場への利用に関わる指導と理解、情報の交流と活用のしかた、情報の保護や盗難・漏洩対策の検討など、実用化に向けた準備を行った。
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