学習者が各自の理解度に応じてコンピュータを使った学習ができるようにシステムを構築している。学習の教材としては、資格試験に対応できるように初級システムアドミニストレータ受験対策用の教材を構築した。本システムはインターネット上で利用可能なシステムであり、学習者インタフェースとしてWebブラウザを利用して学習を行ない、教材をアクセスし回答を入力することによって個人の学習履歴を蓄積している。個人の学習状況にあわせて支援が行えるように学習者データベースを用意している。今年度は本学情報システム学科の学生2年生(被験者)に対して本システムを利用してもらい学習履歴の収集を行った。被験者については1年生のときも本システムを利用している。また本システムの利用時期はほぼ2年間の授業が終わった段階で利用してもらった。今回の利用形態では2種類の学習方法により本システムを利用する実験を行った。1つのパターンは1週間続けてシステムを使用し、1週間休む形態、もう1つは、コンスタントに使い続ける形態である。両方のパターンの履歴情報より学習というものを記憶の分野からとらえ比較を行うことを試みた。現在、2つのパターンの履歴情報を分析中であり、この結果をもとに、学習と記憶についての分析を行う予定である。また被験者は1年生のときも本システムを利用しているため、2年間での学習効果を検討しているところである。 以上の検討をもとに、次年度の研究では、学習支援システムの中に学習者に応じた支援環境を具体的に構築していく。 また、今後は、新1年生、2年生の授業でも利用するとともに、利用に際して、学習者にアンケートを取ることを検討している。
|