研究課題/領域番号 |
10680247
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研究機関 | メディア教育開発センター |
研究代表者 |
川淵 明美 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助教授 (30195135)
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研究分担者 |
近藤 智嗣 メディア教育開発センター, 研究開発部, 助手 (70280550)
菊川 健 メディア教育開発センター, 研究開発部, 教授 (80056001)
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キーワード | 教育メディア / 電子メディア / システム開発 / 絵巻物 / HDTV / 高等教育 / 動画 / 静止画 |
研究概要 |
絵巻物の特性を分析した結果、絵巻物の電子化のための撮影・入力には、動画(標準系、高精細系)による方法、静止画(標準系、高精細系)による方法、一定速度で動画として撮影する方法、場面ごとに静止画として撮影する方法、様々な撮影技法(クローズアップ、ストーリーに沿った動きなど)を用いる方法を組み合わせる必要があること、及び、(1)資料と非接触で電子化できること、(2)画像が高品位であること、(3)資料が高温、乾燥、過度の光量から保護されること、(4)電子化作業が容易で信頼性があること等の機能が必要であることがわかった。 そこで、これらを実現する、絵巻物等の長尺資料の電子化のためのカメラ自動搬送による撮影システムを独自に設計・開発し、実用化のための検討・評価より有効性を確認した。 その結果、本システムは、(1)絵巻物の撮影画面のアスペクト比よりHDTVによる電子化が適していること、(2)大型サイズ(幅50cm)より小型サイズ(幅10cm)まで撮影可能であること、(3)標準サイズの撮影では、資料のカーリングは問題とならないこと、(4)美術工芸品の撮影の基準である1000luxの照明で撮影可能なこと、(5)資料にダメージを与える照明による温度上昇がないこと、(6)本撮影装置の速度むらは検知されないことを実証した。また、映像再生テスト及びアイカメラによる実験から、絵巻物の撮影速度を検証した結果、20〜28mm/secが適切な速度であり、これは本システムの設計仕様範囲内であることがわかった。その結果、本撮影システムが、絵巻物等の長尺資料の電子化に有用であることが明らかとなった。
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