研究課題
基盤研究(C)
本研究は、通信衛星を用いた教育交流ネットワーク「スペース・コラボレーション・システム」(SCS)に関して運用形態の発展を図るため、メディア教育開発センターに蓄積された教育教材などを提供するためのデータ伝送システムの開発を目的とした。インターネットで汎用的に用いられているコネクション型プロトコルTCP/IPでは、通信の信頼性を保証する送達確認を行うため、これをそのまま衛星系に移植しても伝送遅延が大きく効率が悪い。そこで、送達確認を行わないコネクションレス型UDPを利用することにより、高信頼高効率データ伝送を実現するマルチキャスト・ファイル転送プログラムを開発した。また、開発したプログラムをSCSのVSAT局に実装し、性能を評価した。SCSの拡張には、構内遠隔利用が不可欠である。教材を提供するデータ伝送システムは、構内ネットワークを通して任意の教室から利用できるように設計された。SCSをSCS設置教室外から利用するため、LANを用いて遠隔制御する必要がある。そこで、回線制御装置を遠隔で操作するシステムを開発した。SCSは平成12年現在VSATが140局を越え、私立大学も参入した。今後も、局数の増加が予想され、SCSは高等教育における遠隔交流の有効かつ重要なネットワークになっている。SCSの有効利用を促進することを通して、高等教育における遠隔交流を一層支援したい。
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