平成12年度の受講学生(288名)は、「教育参加」の授業評価(5段階評価)において、「"教育参加"は、学生にとって有意義な授業科目であると思う。」という項目に対して、49.4%が「非常にそう思う」と回答し、36.4%が「かなりそう思う」と回答した。そして、有意義であると思えた内容について、「これまでにない様々な体験(自然体験、社会体験、生活体験)をすることができた」ことに対して、59.9%が「非常にそう思う」と回答、33.2%が「かなりそう思う」と回答した。以上のような回答結果が示している「教育参加」の有用感は、一体どの程度「教職への志向や一体感の形成」に結びついているのであろうか。このことを明らかにするために、ずばり次の質問を設定した。「"教育参加"を通して、教職への志望が強まり、自分には教職が向いていると思えるようになった。」これに対して、12.1%が「非常にそう思う」と回答し、25.5%が「かなりそう思う」と回答した。実に受講学生の三分の一が「教育参加」の授業を通して、教職への志向と一体感を強めていることが示されたのであり、これは特筆すべきことである。特に学生の教職志向に強い影響を与えている活動名を挙げると次の通りである。附属幼稚園の秋の遠足、運動会、三九郎、附属松本小学校の秋の遠足、教育実習参観、附属松本中学校の英語のTT、写生会、教育実習参観、阿南少年自然の家と望月少年自然の家のふれあい自然体験キャンプ、松川青年の家の野外活動研修、寿台養護学校の高等部1日キャンプなどである。 「教育参加」は、信州大学においてはフレンドシップ事業に位置つけられている。平成12年12月9日に5大学の学生が信州大学に集まり、第2回フレンドシップ事業全国学生シンポジウムを開催した。このシンポジウムにおいても人と人とのふれあい体験が教職への志向と一体感を形成するうえで大きな効果をもたらすことが確認された。
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