研究概要 |
1 授業分析研究から 教育課程審議会「答申」が7月に発表され,学習指導要領が12月に告示された。生活科にとっては,初めての改訂であり,第3学年以上に創設される「総合的な学習の時間」へのつながりを含めて,変革期に様々な授業の試みがなされている。主に9校10授業の分析から次のような6つの方向が明らかになった。 ・生活科を中核とした関連的な指導 ・対象とのかかわりを深める指導の工夫 ・授業の終末の工夫・自己決定,自己選択できる場面の設定 ・地域の人々との交流の工夫 ・表現方法及び形態の工夫 2 学習材に取り扱いに関する研究から 今年度は,主に植物を扱う栽培活動について調査研究をし,その最適化について分析した。栽培活動は,生活科及び理科でも取り扱われているため,両者を体験した者へ意識調査を行った。(被験者:小学校第3学年,第6学年:中学校第2学年,大学生,各200名以上に調査)その結果,生活科では,より多種の植物栽培に取り組ませること,観察を強いるのでなく植物との心情的なかかわりを重視することが,将来にわたって植物に親しむ基礎をつくることにつながることが分かった。 3 今後の研究方向 来年度は,今年度明らかになった授業分析結果を基に,附属小学校にて,研究代表者が授業を行い最適化に向けて検討を深めたい。学習材の取り扱いでは,動物を扱う飼育活動に焦点を当てたい。また,生活科の前段階となる幼児教育について,その実態を知ることで,生活科授業の最適化への手がかりとしていきたい.
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