研究概要 |
前年度末に実施した小学生を対象とする調理経験に関する調査がまとめの段階となり、学会へ報告した。その結果、調理経験の実態として、3,4年生の段階でコンロの使用、皮むき器や包丁の使用率が60%を越えており、中学生での多様な調理実習の可能性を示唆された。また作って食べたいメニューとしてはとくに菓子類の関心が強いことがわかった。 そこで、小学校や幼稚園における教育活動として実践可能な菓子メニューを探る目的で試作実験を繰り返し、12品目のレシピを完成し、一部を幼稚園で実践した。今年度の研究により適切な準備や補助者による支援を行えば、小学校低学年レベルにおいても多様な菓子作りが可能であることがわかり、総合的な学習の時間における取り組みへの展望が開けた。 一方、全国の小学校の学級活動等で展開されている様々な調理活動の実態を、500校を対象に調査した。この結果、小学校の教科外活動としては3〜4年生で様々な調理活動が取り入れられており、「総合的な学習の時間」の活動として多様な応用が期待できることが示唆された。 次年度はさらに、具体的な調理教育を低・中学年の小学校現場で実施してもらい、その結果を確認して、「総合的な学習の時間」で利用可能な「菓子・料理手作りレシピ集」を公表し、授業作りのための利用に供したい。
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