研究概要 |
本研究の目的は,発達段階に応じた「生きる力」を育成する社会科の国際理解学習・環境学習・情報学習に関する学習材を,実験・実証的研究を通して開発していくことである。 平成13年度には,情報教育に焦点をあて,(1)社会科情報学習の学習材開発のための教材研究(フィールド・スタディや文献・資料の調査・収集と分析>,(2)理論仮説に基づく小学校中学年・小学校高学年・中学校段階の単元レベルの授業計画案の作成,(3)授業計画案に基づく研究授業の実施と理論仮説・授業計画案の吟味・修正,(4)4年間の研究のまとめとして研究成果報告書の作成,以上の4点について研究を行った。 その結果として,次の3点が明らかになった。 (1)社会科情報学習で育成する「生きる力」としては,次の4点が重要であること。(1)具体的な活動や体験を通して情報化社会の現実や問題から知的な問題や実践的な問題を見つけることができる問題発見力。(2)問題を解決するために必要な情報を受信したり,情報を発信したりする情報活用能力。(3)知的な問題である「なぜ,どうして」を解決する探求力(思考力)。(4)実践的な問題である「どうしたらよいか,どの解決策がより望ましいか」を解決する意思決定力(判断力)。 (2)発達段階に応じた社会科情報学習という観点では,小学校中学年では問題発見力と情報活用能力の育成を,小学校高学年では知的な問題を解決する探求力の育成を,中学校段階では実践的な問題を解決する意思決定力の育成を重視するすることが大切であること。 (3)「生きる力」を育成する社会科情報学習の学習材としては,情報化社会の現状やよさ,情報の働き,情報と人間生活のかかわり,情報化社会の問題,問題解決の新しい取り組みなどを取り上げることが有効であること。
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