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1998 年度 実績報告書

教科書が役に立たない障害児「性教育」の進め方についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680281
研究機関山口大学

研究代表者

林 隆  山口大学, 医学部, 助教授 (20253148)

研究分担者 木戸 久美子  西南女学院大学, 保健看護学部, 助手 (40269080)
吉田 一成  山口大学, 教育学部, 教授 (70106087)
キーワード性教育 / 特殊教育 / 発達障害児 / 知的障害 / 性への関心 / 養護学校 / 知的障害者援護施設 / 子育て支援
研究概要

(1) 養護学校での実態調査
特殊教育の中でどのような性教育が行われているかについて、全国の養護学校を対象に実態調査を行った。各養護学校では発達障害児に対する性教育の必要性は感じながらも、実際に何をどのように伝えたらよいのが試行錯誤の状態だった。実際の現場の教員が必要と考えている指導内容と教育委員会などで開催される研修会の課題内容にズレがあり、障害児向けの性教育指導のテキストも少ないことから、特殊教育の現場では独自の工夫により性教育プログラムが作成されていた。
(2) 指導者の性認識と指導内容
性教育の担当者の性に関する意識・関心と指導内容との相関について検討した。性教育担当者が「性への関心」が高いことが性教育実施の機会や指導内容、児童・生徒の理解度に影響を与えていた。学校全体の性教育に取り組む姿勢についても、性教育担当者の「性に関する意識や関心」が影響を与えていた。
(3) 成人知的障害者援護施設の性の問題の調査
発達障害者の性に関する実状を把握するために知的障害者援護施設(成人)での性に関する問題と職員の意識、施設から特殊教育に求める性教育の内容について調査した。成人の入所施設では性被害・性虐待に繋がりかねない過剰な性的スキンシップ、TPOに合わない自慰行為など様々な性に関する問題が発生していた。成人施設が特殊教育に求める教育内容として、ずば抜けて1位を占めたのは「異性への接し方」で、2位は「男女の性の役割」であり、「清潔教育」、「自慰行為への対処」と続いた。施設側の望む性教育の内容は、性の知識・技術よりも、対人関係の基本や他人への思いやりに通じる情操教育だった。
(4) 知的障害者についての子育て支援
知的障害者に対する妊娠出産・育児支援の支援方法について検討し、事例を通じた実践の報告と併せて支援マニュアルとしてまとめた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 林 隆: "発達障害児に対する性教育のとりくみ アンケートによる養護学校における性教育の実態調査" 障害者問題研究. 25・4. 38-45 (1998)

  • [文献書誌] 木戸久美子: "発達障害児に対する性教育の現状 : 指導者の性に関する意識・関心と指導内容の関係" 山口大学教育学部論叢. 48・3. 271-282 (1998)

  • [文献書誌] 林 隆: "発達障害児に対する性教育のとりくみ : 知的障害者援護施設(成人)での問題点" 日本発達障害学会第33回研究大会発表論文集. 33・1. 85-86 (1998)

  • [文献書誌] 木戸久美子: "障害児の性教育実践をめぐる問題 : 指導者の性に関する意識・関心と指導内容の関連" 中国四国心理学会論文集. 31・1. 90 (1998)

  • [文献書誌] 林 隆 共著: "子育て支援マニュアル「親になる」" 全日本手をつなぐ育成会, 13 (1999)

  • [文献書誌] 木戸久美子共著: "子育て支援マニュアル「親になる」" 全日本手をつなぐ育成会, 16 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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