本研究では日本の大学生の英語ライティングにおける共通の誤りに関するデータベースの開発を行なう。データベースの分析は本または、最終年度にレポートで報告する。初年度は概要の計画、機器やソフトウェアの調達、背景的情報の収集、調査結果や手に入る材料からのデータ収集を行なった。 国内の大学と高校の英語教育課程に関する背景的情報とデータを集めるため、最初に英語教育課程におけるライティングの役割と授業の特徴を決定づけるアンケートの開発を行なった。解答者には学生の共通の誤りに関してのコメントも要求した。これはデータベースと合わせ今後の研究における文書の収集、分類、分析に利用する。 初調査では国内160大学(国公立79、私立81)に対しアンケートを送付したが、17大学(国公立7、私立10)のみが応じた。教授へのアンケートは、10国公立大、21私大、他2大学の教授より回答を頂いた。回答より作成したデータベースから、共通の誤りにおける教授の見解についての論文を記した。会津大学語学研究センター98年度年次報告に掲載される。 各都道府県の教育委員会に高校の教育課程についての情報提供を依頼した。16の都道府県から回答を頂いたが、ほとんどが単に文部省が確立した条件に従ったものであった。公の配布でないため、良い情報源となるであろう県内の上位10の高校と3大学の名前と所在地についてもあまり提供して頂けなかった。 120の高校をランダムに選出し調査した。アンケートの回答は始まったばかりであるから、得られた情報はまだないが、調査結果から高校生が受ける一般的な英語ライティング課程に関する洞察が得られるであろう。 加えて、会津大生の文書を評価しデータベースの作成を開始した。文書の題材は多くの大学のものより幾分専門的であることが予想されるが、誤りは教授もの調査レポートにかなり類似していると思われる。来年度このデータベースに他大学の学生のライティングにおける誤りを合併する。
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