研究分担者 |
大和田 和治 早稲田大学, 教育学部, 助手 (00288036)
斎藤 敏治 東京都立航空工業高等専門学校, 助教授 (40259833)
原田 康也 早稲田大学, 法学部, 教授 (80189711)
田辺 洋二 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10063562)
小池 生夫 明海大学, 外国語学部, 教授 (70051266)
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研究概要 |
この研究の目的は、発信型の英語教育やコミュニケーションのための英語教育の探求のために、学習者コーパスを作成し、学習者が発信のために記憶しているチャンク(chunks)をつきとめることにある。英語学習者の持っている知識には、一般的に2種類あるといわれている。正確さを生み出す文法などの明示的な知識(explicit knowledge)とコミュニケーションに必要な流暢さの源泉と考えられている暗黙の知識(implicit knowledge)の2種類である。学習者が暗黙の知識として記憶に蓄えてあることの証拠として、するすると芋づる式に発信されるchunksに注目し、頻度数の高いチャンクがコミュニケーション手段として有効であると仮定した。この1年で中学生1,2,3年生、高校生1,2年生、高専1,2年、大学1,2年生、帰国子女から多量の作文データと口語データを得た。口語データについては、発話速度の測定、ポーズ量の測定、think-aloud法による発話者の内観データを分析中である。ポーズ量については、帰国子女と高専1,2年生について比較検討した。帰国子女については、英語と日本語のポーズ量はほとんど同じだが、母国語でのポーズ量と発話速度を比較すると、英語のレベルに応じてポーズ量が指数関数的に増加している。ポーズ量が英語のレベルの指数になる可能性も観測できた。また、中学の教科書、高校の教科書をすべて電子化し、現在、学習者コーパスから得たチャンクと教科書で得られたチャンクとの比較検討を現在行っている。コーパスのタグ付けのプログラムを作成中である。
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