研究課題/領域番号 |
10680290
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教科教育
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中野 美知子 早稲田大学, 教育学部, 教授 (70148229)
|
研究分担者 |
原田 康也 早稲田大学, 法学部, 教授 (80189711)
田辺 洋二 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10063562)
小池 生夫 明海大学, 外国語学部, 教授 (70051266)
大矢 政徳 早稲田大学, 教育学部, 助手 (60318748)
斉藤 敏治 東京都立航空工業高等専門学校, 助教授 (40259833)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 1999
|
キーワード | 学習者コーパス / チャンク / 英語コミュニケーション / 電子英語教材 / フォーミュレイック スピーチ / Fluency / Accuracy |
研究概要 |
この研究の目的は、発信型のコミュニケーションのための電子教材を、学習者コーパスに基づいて開発していくことであった。そのため、中学生、高校生、大学生から多量の作文データと口語発話データを収集し、品詞タグをつけ、コーパス化した。この学習者コーパスに基づいた電子教材の特徴は学習者が暗黙の知識として記憶に蓄えているチャンク(Chunks)を重視し、かつ学習者コーパスにより見つけ出した学習者の弱点を教示し、国際化時代の英語教育のため教材を開発していくことであった。この研究では次のような背景により、チャンクに注目した。英語学習者の持っている言語知識は、一般に2種類あるとされている。言語の正確さを生み出す文法知識などのような明示的知識(Explicit Knowledge)と言語コミュニケーションに必要な流暢さの源泉と考えられている暗黙の知識(Implicit Knowledge)の2種類である。学習者が暗黙の知識として記憶に蓄えていることの証拠として、学習者が芋づる式に発信するチャンクに注目した。教材つくりにあたっては、学習者コーパスで頻度数の高いチャンクがコミュニケーションの手段として有効であると仮定した。また、中学、高校の教科書も電子化し、教科書コーパスを作成した。教科書コーパスで主として取り上げられる発話行為に注目し、学習者がインプットとして学習した事項を暗黙の知識としてマスターしているかも調査した。その結果、thanking, apologizing, refusals, requesting, offeringなどの会話行為が十分にマスターされていないことが判明した。また、自動詞、副詞(句)などの文法知識も十分ではなかった。学習者の弱点を補う電子教材は、アニメーション、口語による教示、CGIによる自己診断テストなど極力マルチメディア化を心がけている。この研究の基礎データとして収集した学習者コーパスは21世紀に向けた英語教育研究の重要な基礎資料になる。また、タグ付けの手法やインターネットからアクセスにデータを落としていく手法など、将来の英語教育研究に不可欠な研究手法を開発したといえよう。Grammatical Parsingに基づいたタグ付けは、理論言語学とも深く関係するので、今後の研究課題へ発展していくであろう。
|