研究課題/領域番号 |
10680291
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
高山 次嘉 早稲田大学, 教育学部, 教授 (00002543)
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研究分担者 |
江口 勇治 筑波大学, 教育学系, 助教授 (50151973)
工藤 文三 国立教育研究所, 教科教育部, 室長 (30231096)
影山 清四郎 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60089563)
松本 敏 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (10199870)
大友 秀明 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (30176945)
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キーワード | 民主主義社会 / 公共性 / 市民的資質 / 社会参加 / ボランティア / 社会科・公民科 / サービスラーニング / NPO |
研究概要 |
現代社会における国家の行政権の巨大化と官僚制支配、巨大で制御不能な金融資本の動き、そこに生ずる資源の浪費・地球環境の破壊や人権の抑圧などの人類的課題の解決には、通常の社会参加を超えた新しい社会参加が必要である。また「政治的で有徳な市民」と「経済的で利己的な市民」という市民の二重性のうち、後者のみが肥大化している現実も克服されなければならない。学校教育におけるシティズンシップの教育では、重心を従来の国民性・民族性から市民性に移動する必要があることを確認した。 自発的共同社会におけるボランティア活動の意義や沖縄の平和の語り部にみる活動への動因の解明、中学生対象の社会参加意識の調査からのボランティアへの関心・体験の豊かさとその自主性自発性の貧しさなど分析、さらに戦後初期社会科における社会参加の教育の展開と衰退の検討、ドイツにおける政治教育カリキュラムの分析やアメリカにおけるサービスラーニングの実践事例の検討などの理論的研究を深めた。 優れた実践研究を進めている現職教員を研究協力者として委嘱して、共同で社会参加の教材を開発し、小学校では環境保全清掃などの体験的実践的な授業、中学校では法・権威に関するシュミレーションや合意形成の模擬体験の授業、コミュニケーションとくに情報発信能力の開発を目指す授業、高校では老人介護のボランティア体験とその振り返りの授業、人権を支える人々・NPOなどへの聞き取り調査とスキット・模擬裁判を含む多彩な表現によるリポートの授業を計画・実施し、分析検討を加えて、それぞれの有効性と残された課題について確認した。
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