本研究は、英語圏における統一点字記号であるUBC(Unified Braille Code)を日本点字に導入し日本版UBC点字記号を標準化することと、支援ソフトウェアを提供することにある。UBCの詳細な定義が決まるのは2000年以降であるが、UBCを検討する国にはUBCの評価キットが全世界に向け配布される。現状で公表されているUBCを日本版に導入するには、現行日本点字における仮名表記部分は何ら変更を行わずに、英語部分を全てのUBCに置き換え、数式・化学式も新点字コード体系であるUBCを導入し、日本版UBCとして、現行本点字規則に置き換えるものである。英語圏での状況は8:2でUBCに賛成する情勢で、今夏、UBCの完成と移行を2003年に計画していることが明らかになった。 初年度はデータの評価と整合性の問題を調査し、現行日本点字規則の仮名表記と日本版UBCに不都合がないことを明らかにした。また大幅な変更がもたらされる数式の教育上の問題点、数式点字等の利用者に対する負担等を、全盲学生に協力を願い、調査を行った。また、漢字仮名交じりの文書から点字に変換するシステムを、Windows環境で利用できる自動点訳ソフトウェアを完成させた。 日本点字委員会の研究部会では、英語圏における新点字コード体系UBCの導入とは別に、現行数式点字規則を見直す研究会があり、現在、全く新しい数式点字コードを導入しようとするA案グループと、UBCに準拠しそれを検討するB案グループが存在する。本研究を通じ、関連の深いB案グループとの研究協力も得られるように体制が整った。
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