本年度の研究計画は幼児の描画作品を画像として収集することと、2つのファイル(幼児の氏名・生年月日・性別などの個人情報のファイルと作品画像ファイル)をつなぎ合わせることであった。 描画作品を画像として収集することは本研究で注目している視点である。そこで本年度も幼児の描画作品を画像として収集した。収集に際し幼稚園などの現場では、幼児は毎日のように絵を描くがその整理に着手できない日々の状況がある。そうした状況に呼応しながら研究を進めるには年度の変わり目の今が重要となる。さらに4月初めまでに約3000点を収集する計画である。現在収集できた作品の累計は約18000点に及んでいる。 2つのファイルをつなぎ合わせることはすでに収めてある幼児の個人情報ファイルと作品画像ファイルとをつなげることを試みて概ねの成果が得られた。一人の幼児の描画を成長順(描画順)に並べて表記したり印刷できることは可能になったが、指定した生育年齢に描いた画像を取り出すことや作品を分類し比較検討できる環境づくりなどに主力をおいてデータベースを調整している。作品画像にひとつずつその作者の幼児名を付記しておくことの大変さは昨年と変わりない。また、ひとつづつの作品を観て描画特性を入力していく行程は時間的にも肉体的にもかなりの負担がかかる。しかしながら上記作業は協力者を得ながらでも完了させなければ本研究の目的が達成できないと考えている。この入力方法を正確かつ簡素化できるよう新たな物理的環境を構築することが今後の研究になると考えている。次年度がまとめの年であるだけにできるだけ早く入力を完了させ乳幼児の描画作品から多くの情報を得たいと願っている。
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