研究概要 |
1. 一気候モデルに関して 気候変動に関しての集大成はIPCCの報告書(1992,1995)てしてまとめられているが、この報告書を作成する際の理論的な背景はClimate Sysytem Modeling,1992に広範囲な気候モデルへの紹介と案内としてなされている。この内容をもとに気候システムの数理的なモデルの理解と簡易モデルの構築、応用数学教材の抽出を行っている。個別のモデル化に関しては、二酸化炭素の循環に関するモデルがボックスモデル等での説明が可能な部分も多く常微分方程式の系として教育的であることが判明してきた。 2. 数値的シミュレーションに関して 本年度の科研費において数値計算能力に優れたUNIXワークステーションの導入ができた。この機械に、環境シミュレーションの実例であるNCARのCCM3モデルをのせて計算を行った。実際に30日間のシミュレーションをタイムステップ20分とスペクトル法による打ち切りを42とした場合に計算を行わせると、計算時間は約8時間、出力データは約2Gバイトとなり計算機資源をかなり必要とすることが手元で確かめられた。したがって現在のパソコンの能力では数年にわたるシミュレーションは無理である。本質的な部分をいかしながら思い切って簡略化したモデルにもとづくシミュレーションを開発し簡便に計算可能ならば極めて教育的であり啓蒙的である。今後そのための1次元モデル、パラメタライゼーションなどの検討が必要である。出力結果の視覚化に関しては現在検討中である。
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