研究課題/領域番号 |
10680301
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
関 道子 北海道大学, 留学生センター, 助教授 (60113578)
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研究分担者 |
PETER Firkola 北海道大学, 留学生センター, 助教授 (30301013)
山下 好孝 北海道大学, 留学生センター, 助教授 (50241394)
米山 道男 北海道大学, 留学生センター, 教授 (90006312)
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キーワード | 留学生の大学生活への適応 / 日本人院生の適応 / 異文化接触 / 価値観 / 互恵的関係の構築 / 韓国留学生 / 対日イメージの変化 |
研究概要 |
本研究の目的は、留学生の大学での研究生活への適応に関わる諸要因について、留学生自身の要因と、彼らと直接接触する受け入れ側日本人の要因との相互作用を時間的経過の中で検討することにより、留学生の日本文化・社会への適応に着よする要因を抽出することにある。 本年度は、昨年2月に行った日本人大学院生の大学への適応と大学教育に関する基本的な価値観についての質問紙調査で得られたデータを分析し、初年度に収集した留学生のデータと比較した。その結果を9月に開かれた日本教育心理学会第42回大会で、研究代表者の関道子が「異文化接触による相互の意識変容に関する研究(3)-日本人大学院生と外国人留学生の大学への適応と価値観の比較」、研究協力者の神谷順子が「異文化接触による相互の意識変容に関する研究(4)-日本人大学院生の異文化接触経験に関する一考察」の研究題目で発表した。 適応尺度の結果では、留学生の方が、研究に対して積極的で自信を持ち、留学先での研究生活に満足していることが浮かび上がった。しかし、日本人院生が友達感覚で指導教官と接しているのに対し留学生は気軽に話しかけることに困難を示した。留学生と友人関係が持てないと答えた日本人院生が多かった。日本人院生の留学生との接触は、主として研究活動場面に限られていたが、その接触を通して、自分自身の英語力の欠如、日本語の語彙不足などに気づき、留学生の行動規範・価値観などの文化的要因の重要性を認識するようになっている。さらには、互恵的関係の構築や留学生施策への提言など、理解から影響を与えつつ共に生きるという方向への移行が見られた。本年度2月末には、韓国留学生の日本留学前と留学中の対日イメージの変化についてアンケート調査を実施し、現在回収中である。この調査の分析の成果については、次年度9月開催の日本教育心理学会第43回大会で発表の予定である。
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