研究課題/領域番号 |
10680301
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本語教育
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
関 道子 北海道大学, 留学生センター, 教授 (60113578)
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研究分担者 |
FIRKOLA Peter 北海道大学, 留学生センター, 助教授 (30301013)
山下 好孝 北海道大学, 留学生センター, 助教授 (50241394)
米山 道男 北海道大学, 留学生センター, 名誉教授 (90006312)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2001
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キーワード | 留学生の適応 / 日本人大学院生の大学への適応 / 異文化接触 / 教育に関する価値観 |
研究概要 |
本研究の目的は、1)留学生と受入れ側である日本人大学院生の大学生活への適応状況と異文化接触の実情について把握すること、2)留学生と日本人大学院生の教育やライフスタイルに関する価値観を捉えること、3)時間的経過の中で、留学生と日本人大学院生の適応度や価値観の変化を捉えることである。 そのために、留学生に対しては、研究留学生の大学での研究生活への適応に関わる諸要因と教育やライフスタイルに関する価値観について1999年度と2002年の2回、日本人大学院生に対しても、大学生活への適応と留学生と同様の教育やライフスタイルに関する価値観に関し、2000年度と2002年度の2回にわたって質問紙調査を実施した。 留学生は、学習・研究領域に関して非常に高い適応を示した。しかし、研究方法に関しては不適応の面も見られた。日本人との接触は限られている。また、価値観についてはホフステードの結果に反して、文化差によらない共通の価値観傾向を示すものがあり、それらは、留学生あるいは研究者特有なものと考えられた。その反面、価値観が2極に分離する項目もいくつかあった。これは、文化差の影響と考えられ、「留学生」をひとまとめではなく、出身地域に分けて分析する必要性が確認された。 受入れ側のピアとしての存在である日本人大学院生は、大学生活に比較的良く適応しているが、とりわけ教官との関係が非常に良いことがわかった。個人主義的で権力格差の小さい価値観を持ち、欧米系の留学生と同じような傾向を示した。留学生と接触経験のある日本人大学院生は、コミュニケーション能力が高く、異文化を受け入れる寛容さ、対処能力の高さが見られた。縦断的データからは、留学生・日本人大学院生ともにコミュニケーションに関する価値観に変化が見られ、留学生は日本人的な明確さを欠くが対人的調和を図る方向に、日本人大学院生は、もっと明確な言語的表現を用いる方向にシフトした。
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