研究概要 |
本調査研究は,外国から来た子どもたちを学校や地域社会がいかに受け入れたらよいかを考えることが目的である。また,受け入れには,外国から来た子どもたちに何をどう教えるかだけではなく,これらの子どもたちと日本人等の子どもとがともに学ぶための教育環境をいかに作っていくかが重要という立場を採り,これらを目指した学校や地域社会における「多文化教育」の実践事例等を収集分析し,そのあるべき方向を考えることを目標としている。 初年度(平成10年度)の事例収集では,大阪府,広島県,群馬県,茨城県の学校や関係地域機関や個人から貴重な情報を集めることができた。今年度(平成11年度)は,文部省の「総合学習」の試行によるものも増え,大阪府内の取り組みに優れたものがあることも分かってきたため,主に大阪府内及びその近接地域の学校等で事例等の情報収集を続けた。これらの情報収集を通じて,小学校と中学校とではその対応に大きな違いがあることが改めて理解された。小学校に比べ中学校の取り組み事例が少なくかつ個人の教師まかせになっている場合が多いことなどである。 来年度(平成12年度)は,多文化教育の取り組みと進路問題の関係や高等学校での事例,一般校といわゆる「指定校」とで相違があるかどうかなど,これまでの調査研究であらたな課題となったことについての調査をするとともに,これまでの知見をまとめ何らかの形で公表したい。
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