研究概要 |
本年度は本研究計画の最終年度にあたり,主としてこれまでの研究成果のとりまとめを行った。本研究の目的は,時系列的に得られた多変量成長データ対して成長のパターン分類し,与えられた情報では説明しきれない背景要因を探索することである。解析の対象である個人の顔面骨格の経年的計測値に関するデータ収集はほぼ完了した。 (1)統計的解析手法:与えられたデータの要約量が,分散・共分散の異なる複数の多変量正規混合分布からとられた標本として捉え,その分類を試みた。これについては"Classification of repeated observations based on the growth curve model"(Kenichi Satoh,Keiko Otani and Megu Ohtaki)としてまとめたものを現在投稿準備中である。また,欠落値や外れが想定される現実のデータのもとでの正規混合モデルの推定,およびそれを効率よく実行するためのソフトウエアーの開発について"正規混合モデルに基づく外れ値の検出"(佐藤健一;日本計量生物学会・応用統計学会2001年度合同年次大会)として発表予定である。 (2)実データの解析結果:広島大学歯学部附属病院矯正科で不正咬合の治療を受けた患者67名の顎の成長に関する経年的計測データを用いた成長曲線の分類に関する解析結果は"下顎骨の成長パターンの探索-正規混合分布を仮定して-"(大谷敬子,佐藤健一,大瀧慈;日本計量生物学会・応用統計学会2000年度合同年次大会)として学会発表を行った。 また,成長曲線モデルとしてゴンペルツモデルを適用し,k-means法により分類を行った解析結果を"Classification of Repeated Observations Using k-means Method-Application to Growth of Human Mandibular Bone"(Keiko Ohtani,Kenichi Satoh,Eiji Tanaka and Megu Ohtaki)としてとりまとめ,現在投稿準備中である。
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