研究課題/領域番号 |
10680322
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研究機関 | 群馬工業高等専門学校 |
研究代表者 |
小幡 常啓 群馬工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50005534)
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研究分担者 |
大嶋 洋 東邦大学, 医学部, 講師 (30104152)
原 啓明 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (60005296)
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キーワード | 曲率テンソル / 統計多様体 / Newton-Cartan理論 / ゲージ場 / ランダムウォーク / Riemann-Liouville積分 / 情報幾何学 / 中間統計 |
研究概要 |
(1) 離散確率過程に随伴した“層状統計時空″の“一般化曲率テンソル″を調べた。層状統計時空は統計多様体Mと整数の集合Zの直積空間である。多様体Mは確率過程モデルを特徴づけるパラメータによって張られ、Zは離散時間に対応する。層状時空M×ZはNewton重力のNewton-Cartan理論に類似した幾何構造を持つことに着目して、離散時空に沿った接続を自然に導入できることを明らかにした。M内における通常の接続と離散時間に沿った一般化接続から、M×Z上に一般化曲率テンソルを構成した。この一般化曲率テンソルの構成では、ゲージ場の理論においてHiggs場の役割を果す拡張ゲージ場に対するKonisi-Saitoの方法を利用した。この新しい幾何学的手法をD次元立方格子上のランダムウォークに応用した。その結果、離散時間に関係した一般化曲率テンソルは任意の時間でゼロであることを示した。さらに、異なる層を結ぶ一般化接続は計量を保存しないことを示した。今後は、ステップ間に相関のあるLevyウォーク等へ応用していく計画である。 (2) MaxwellとKelvin-Voigt要素から成る複雑な粘弾性物質のモデルを構築して、Riemann-Liouviklle(RL)積分を利用してこの体系が呈する不規則現象を逆問題として定式化した。つまり、観測データから不規則現象の性質を予測できる表式が逆問題としてRL積分表示の逆変換から導出されることを示した。また、複合系に対する入出力関数(ノイズ)の観測データを標本(確率変数)の実現値と見て、情報幾何学の立場で入出力関数のある特殊な汎関数を推定した。 (3) Bose統計とFermi統計をつなぐ中間統計の1つであるGentile統計について、統計多様体の曲率に刻まれる量子特性を明らかにした。
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