研究課題/領域番号 |
10680339
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
熊沢 逸夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (70186469)
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研究分担者 |
平林 晃 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (50272688)
小川 英光 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (50016630)
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キーワード | ホログラフィックメモリ / ニュートラルネットワーク / レーザ / コヒーレント波 / 並列計算 / 干渉 / 回折格子 |
研究概要 |
本年度には、前年度にノイズを含まない理想的な波動において確かめられた計算能力がノイズを含む現実的な状況において再現されることを確認した。ノイズとしてはレーザの波長の時間変動、振幅の変動を考慮し、これらがホログラフィックコンピューティングに与える影響を明らかにした。従来の単一光源を用いる方式と今年度導入した回折格子による複数光源を用いる方式の計算能力を比較した結果後者の方が高い計算能力を有することを確認した。光源が密集している場合(回折格子のスリットが中心付近に集中している場合に相当)と光源が分散している場合(回折格子のスリットが分散している場合に相当)においてノイズの影響を比較し、集中配置した方がノイズに対して頑強になることを示した。また光源が1つの場合の方が回折格子によって光源を複数にした場合よりもノイズに対して頑強となることが明らかになった。実際のハードウェア化においては、回折格子の導入による演算能力の増加とノイズに対する頑強さのトレードオフの関係を考慮して、最適なスリット数、スリット配置を決定する必要がある。2年間に渡る科学研究費補助金の支援を得て行われた本研究課題の実績を以下にまとめる。(1)現在活発に研究の行われているホログラフィックメモリと要素技術を共用化できるホログラフィックコンピューティング方式を開発した。(2)従来のホログラフィックニューラルネットワークは3次元的なレンズ系を持ち、実用化に難があったが、本研究において2次元構成を持つホログラフィックコンピューティング方式を与えた。(3)2次元化することで重み表現に制約が生じたが、それにも関わらずノイズ下で各種の実用的計算を実行できることを示した。
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