研究概要 |
(m, n)-マージングネットワークにおける最小比較器数M(m, n)の下界定理 M(m_1+m_2, n)【greater than or equal】「(M(m_1, n)+(M(m_2, n)+m_1+m_2+n-2)/2【reverse left half-bracket】 を導いた。Batcherのodd-even mergeにおける(m, n)-マージングネツトワークの比較器数をC'(m, n)とすると、この下界定理によりM(4, n)=C(4, n), n≡0, 1, 3mod4, M(5, n)=C'(5, n), n≡0, 1, 5mod8であることと、Batcherの(6, 8k+6)-, (7, 8k+7)-, (8, 8k+8)-マージングネットワークが最小比較器数のマージングネツトワークであることを証明した。この下界定理によりYao and Yaoの未解決問題を25年ぶりに解くことができた。(論文掲載済) 将棋盤のマス目の大きさをn×nに拡張し、その拡張した盤上で与えられた詰将棋を解く問題を一般化詰将棋問題という。一般化詰将棋問題がnに関して指数時間完全であることを証明し、この問題の下界が指数時間であり、多項式時間で解くことができないことを示した。(論文掲載済) 研究分担者の笠井は、転送スタック付きプッシュダウンートマトンを導入し、その受理する言語が線形インデックス言語と同一であることを示した。線形インデックス言語の受理機械はすでに与えられていたが、自然なオートマトンモデルを初めて与えた。武永は、Tree-shallableブール関数の性質を明らかにした。蓮沼は、グラフ理論の性質やグラフアルゴリズムを提案した。これらはいずれも本研究をすすめるための基礎研究であり、今後の研究に活かす予定である。
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