研究概要 |
本研究の目的は,組合せ問題の高性能な近似アルゴリズムを開発することである.対象となる問題は,ブール式の充足問題(SAT),グラフの最大カット問題,グラフの辺支配集合問題などである.これらの最適化問題はNP困難であり,高性能な近似アルゴリズムを開発することは理論的・実用的に重要である.本年度に得られた研究成果は主に次のようなものである. 1.VLSIやプリント基板のビア数最小化を行なうアルゴリズムを開発した. 2.ユークリッド距離変換アルゴリズムを開発し,画像処理におけるモルフォロジー演算を効率良くしかも統一的に行なう手法を与えた. 3.論理エミュレータは回路設計の論理検証に用いられるが,論理エミュレータのネット割当て問題を解くアルゴリズムを与えた. 4.グラフの辺支配集合問題とその関連問題の近似可能性や,ペトリネットにおける発火系列問題の多項式時間解法について研究した. これらの成果についてはすべて学会論文誌等に発表すみである.
|