研究概要 |
1.本年度は前年度に行なわれた単一の出発点をもった木構造ネットワーク上の車両配送計画問題に対する近似アルゴリズムの近似性能比の更なる改善をおこなった。顧客は木の頂点上に配置されており,各顧客は正の需要を持っているものとする.顧客の需要は,容量に制限のある同一の車両を用いて満たさなければならないが,需要を分割することは許されていると仮定する.すなわち,ある顧客の需要を複数台数の車両によって満たしてもよい.このとき,配送に要する総距離を最小にするにはどうすればよいかを求めるのが問題である.どの車両も配送センターから出発して,積載制限に違反しないように荷物を積んで再びセンターに戻る.この問題に対して前年度1.5-近似アルゴリズムを開発したが,本年度の研究によって近似比を1.35に改善することに成功した. 2.カテゴリー属性を対象とした二次元データにおける最適な相関ルール発見の問題を半正定値計画法として定式化して,近似アルゴリズムを開発した。また,実際の顧客データにもとづく計算実験をおこない,提案手法の有効性を検証した。また,従来,個々に取り扱われて来た一次元および二次元データにおける最適な相関ルール発見の問題と領域分割の分野において研究されてきた最適一次元および二次元領域を求める問題とこれらの問題に対して,これまでに提案されてきた問題の定式化やアルゴリズムを統一的見地から見通しよく整理、分類を行なった。
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