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1998 年度 実績報告書

可逆論理を基礎とする新しい計算メカニズムの理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 10680355
研究機関広島大学

研究代表者

森田 憲一  広島大学, 工学部, 教授 (00093469)

研究分担者 今井 勝喜  広島大学, 工学部, 助手 (20253106)
キーワード可逆計算機構 / 可逆論理 / 可逆セル・オートマトン / 保存性 / 計算万能性 / 自己増殖セル・オートマトン / アレイ文法
研究概要

可逆的計算機構は物理的な可逆性を反映した計算モデルであり、ミクロな物理現象に基づく将来の計算システムの基礎となり得る。この観点から、数種の可逆計算機構の基本性質を理論的に研究し、次の成果を得た。
1. 論理万能性を持つ単純な可逆的・保存的セル・オートマトン(CA)
可逆性と共に重要な物理的性質である(エネルギーや物質の)保存性に相当する性質を持つCAの計算能力、特に、計算や論理演算などがどれほど単純な可逆的素過程に還元できるかを研究した。
(1) 従来、論理万能性を有するビット保存的な2次元可逆CAとしては16状態のものが知られていたが、3角形状のセル空間を考えることにより、8状態で論理万能性を有するものが存在することを証明した。このモデルは驚くほど単純な状態遷移規則を持つ。
(2) ビット保存性の拡張としてnumber-conservingな性質を持つ1次元可逆CAを新たに提案した。このような強い制約にも関わらずこのモデルが計算万能性を有することを証明した。
2. 3次元自己増殖可逆セル・オートマトンの研究とそのシミュレータの開発
従来の研究により2次元自己増殖可逆CAが構成できることを示しているが、今回はこれを3次元に拡張した。この空間では、2次元よりもはるかに多様な形状の対象物が自己増殖可能である。これを実際に確かめるために3次元CAのシミュレータを開発した。種々の3次元物体の自己増殖過程の動画ファイルをWWW上で公開している(http://kelp.ke.sys.hiroshima-u.ac.jp/projects/rca/sr3d/)。
3. 可逆性を持つ記号列生成システムの研究
2次元記号配列を生成するアレイ文法に可逆性の概念を導入したものである、一意解析可能アレイ文法について研究し、このような文法によって2次元連結図形集合が非常に簡潔に記述できることを示した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K.Morita: "Number-conserving reversible cellular automata and their computation-universality (invited talk)" Proc.of the MFCS'98 Workshop on Cellular Automata, Brno. 51-68 (1998)

  • [文献書誌] K.Morita: "Cellular automata and artificial life : Computation and life in reversible cellular automata (invited talk)" Proc.of the 6th Summer School on Complex Systems, Santiago. 1-40 (1998)

  • [文献書誌] K.Morita: "Uniquely parsable array grammars for generating and parsing connected patterns" Pattern Recognition. 32・2. 269-276 (1999)

  • [文献書誌] K.Imai: "A computation-universal two-dimensional 8-state triangular reversible cellular automaton" Theoretical Computer Science. 印刷中. (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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