研究概要 |
論理関数fがf=g(h(X1),X2)の形で表現できるとき,fは関数分解可能であるという.ここで,{X1}と{X2}は,共通部分をもたない変数の集合である. I. 入力変数が多い場合の関数分解f(X1,X2)=g(h(X1),X2)を求めるため,以下の三つの場合に分けて高速化を図った. 1) |X1|=2まはた,|X2|≦2の場合. 2) 二分解(bi-decomposition)の場合,つまり, f(X1,X2)=g(h1(X1),h2(X2))と分解できる場合. 3) 一般の場合. 1)と2)は実用回路で頻繁に生じる分解であり,専用のアルゴリズムを用いて高速に検出できた.3)は,一般の場合であり,時間がかかる.3)では,Jacobianを用いて,分解を生じない二分割を組織的に求めた.4000以上の関数について分解した.また,Completely Bi-decomposable function(CBF)という新しい関数のクラスを定義した.多くのベンチマーク関数が分解可能であり,そのうち,かなりの部分がCBFであることを実証した. II. 分解不可能な部分関数を検出し,それから,fの関数分解を生じない二分割の集合を効率よく求める方法を開発した.これにより,探索空間を極めて効率よく削減できた.3〜4変数の分解不可能な関数を予め求めておき,表に格納しておくことにより,BDDと索表を用いて,高速な分解システムが構成した.
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