2001 年度実績報告書

人工知能の基礎としての複雑系科学の探求

研究課題

研究課題/領域番号	10680361
研究機関	宮崎大学
研究代表者	田中美栄子宮崎大学, 工学部, 助教授 (20257570)
研究分担者	田伏正佳宮崎大学, 工学部, 助教授 (10244188)
キーワード	複雑系経済学 / 人工市場 / ポジティブフィードバック / マルチエージェント / 高頻度金融データ / スケール不変 / 裁定機会 / 緩和時間
研究概要	最終年度である平成13年度は研究の重点を複雑系としてみた経済現象にしぼり、「経済物理学」と「人工市場」の二つ研究グループと接触を保ちながら、経済物理学はポジティブフィードバックによるマルチエージェント・シミュレーションの考察と、高頻度金融データの高速コンピュータ解析の両面から研究を発展させた。モデルシミュレーションは以前からの続きであるが、2000年10月に第1回IMFORMATION国際会議を日本で行った際に講演した論文が、2001年4月発行の、INFORMATION誌第4巻に掲載され、また2000年11月にこれも第1回目の経済物理学国際会議を日本で行った際に発表した論文が、Empirical Science of Financial Fluctuations : The advent of Econophysics (Springer,2002)と題した本に出版された。この中で、ごく単純な2パラメータモデルが二つの相に分かれ、その臨界点に対応する値でちょうど実際の高頻度金融データと同じ統計性を示すことを具体的な形で明らかにした。一方、人工市場の持つべき性質を知る目的と、統計物理学的な研究方法の応用として、高頻度金融データ(TICKデータ)を多数入手し、これを整理して様々の面からこのデータの性質を調べた。スケール不変な統計性から乱流との類似を明らかにしたり、細かな動きの中に定常的なパターンを見出し、予測可能性を調べたり、多国間の為替の同時取引を仮想的に行った場合に裁定機会がどのくらい現れてその緩和時間はどのくらいか、などについて具体的な知見が多く得られた。これらの成果発表と、情報収集を兼ねて国内の研究会や学会、国際シンポジウムなどに数多く参加した。最後に複雑系経済学の国際的な研究センターの一つである、サンタフェ研究所を2月に訪問して、本研究費の補助を得て行ってきた研究成果についてのセミナーを行い、所員達の意見を聞く機会を得た。同じ内容のセミナーを3月初めに総合研究大学院大学において行った。(葉山セミナー3月7日)

研究成果
(7件)

すべてその他

すべて文献書誌 (7件)

[文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki: "Modeling the Price Fluctuation"Information. 4. 179-185 (2001)
[文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki: "Statistical Properties of Price Fluctuations in a Multi-Agent Model and the Currency Exchange Market"Empirical Science of Financial Fluctuations, Takayasu(Ed.), (Spriner, 2002).. 135-142 (2002)
[文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki: "Statistical Properties of Financial Time Series and the Positive Feedback Mechanism"Proc. Intern. Sympo. Nonlin. Theory& Appi. (ieice, NOLTA). 681-684 (2001)
[文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki: "A Study on the Predictability of High-frequency Financial Data"Proceedings of the 7^<th> International Symposium on Artificial Life and Robotics. 1. 74-77 (2002)
[文献書誌] M.Tanaka-Yamawaki, T.Itabashi, S.Komaki: "Does Information Flow in High-frequency Financial Data as Energy Does in Does in Turbulence ?"Proceedings of the 7^<th> International Symposium on Artificial Life and Robotics. 1. 78-81 (2002)
[文献書誌] 田中美栄子: "多体シミュレーションにおける同期現象と実社会での意思決定"Technical Report of IEICE. AI2001-56. 9-15 (2002)
[文献書誌] 田中美栄子: "物理科学から見た経済学,総研大論文集、「新分野の開拓」"総合研究大学院大学教育研究交流センター、湯川哲之(収録予定). (2002)

2001 年度 実績報告書

人工知能の基礎としての複雑系科学の探求

研究代表者

田中 美栄子 宮崎大学, 工学部, 助教授 (20257570)

研究成果

[文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki: "Modeling the Price Fluctuation"Information. 4. 179-185 (2001)

[文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki: "Statistical Properties of Price Fluctuations in a Multi-Agent Model and the Currency Exchange Market"Empirical Science of Financial Fluctuations, Takayasu(Ed.), (Spriner, 2002).. 135-142 (2002)

[文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki: "Statistical Properties of Financial Time Series and the Positive Feedback Mechanism"Proc. Intern. Sympo. Nonlin. Theory& Appi. (ieice, NOLTA). 681-684 (2001)

[文献書誌] Mieko Tanaka-Yamawaki: "A Study on the Predictability of High-frequency Financial Data"Proceedings of the 7^<th> International Symposium on Artificial Life and Robotics. 1. 74-77 (2002)

[文献書誌] M.Tanaka-Yamawaki, T.Itabashi, S.Komaki: "Does Information Flow in High-frequency Financial Data as Energy Does in Does in Turbulence ?"Proceedings of the 7^<th> International Symposium on Artificial Life and Robotics. 1. 78-81 (2002)

[文献書誌] 田中 美栄子: "多体シミュレーションにおける同期現象と実社会での意思決定"Technical Report of IEICE. AI2001-56. 9-15 (2002)

[文献書誌] 田中 美栄子: "物理科学から見た経済学,総研大論文集、「新分野の開拓」"総合研究大学院大学教育研究交流センター、湯川哲之(収録予定). (2002)

2001 年度実績報告書

田中美栄子宮崎大学, 工学部, 助教授 (20257570)

[文献書誌] 田中美栄子: "多体シミュレーションにおける同期現象と実社会での意思決定"Technical Report of IEICE. AI2001-56. 9-15 (2002)

[文献書誌] 田中美栄子: "物理科学から見た経済学,総研大論文集、「新分野の開拓」"総合研究大学院大学教育研究交流センター、湯川哲之(収録予定). (2002)