理論と応用の両面から、離散アルゴリズムの高品質化・高性能化・高速化の研究を実行し、今後の高度情報化社会の基盤となるアルゴリズムの発展に貢献することが本研究の目的である。その目的を達成するために以下の研究を実行した。 1. 計算幾何、グラフ・ネットワークアルゴリズム、組合せ最適化、並列・分散アルゴリズムの分野でこれまでに提案された高品質・高性能・高速アルゴリズムの技法を研究調査した。特に、半正定値計画法およびネットワークフローに基づく高性能近似アルゴリズム、数理計画、組合せ幾何学、グラフアルゴリズムの高速化技法などの関連新技法の有効性を研究調査・検討した。 2. 1の研究調査・検討の実行においては、離散アルゴリズムや計算量の分野で最先端の研究をしている内外の研究者と情報およびアイデアを交換した。 3. 離散アルゴリズムの応用分野の例として、情報ネットワーク、マルチメディアの世界での高品質高速画像情報伝送や高信頼通信ネットワーク構築等の技術を研究対象として取り上げ、離散アルゴリズム・並列分散アルゴリズムの重要性を研究調査・検討した。 4. 上記1、2、3の調査・検討に基づき、情報ネットワークや離散アルゴリズムの各分野で理論的にも実用的にも要求度の高い問題に対して、高品質・高性能・高速アルゴリズムと有効な新技法を提案した。特に、最大充足化問題は内外の研究者によって精力的に研究が進められているので、これまでの申請者の研究背景を生かして最高性能のアルゴリズムを提案した。 5. 提案した高性能近似アルゴリズムの実用性を検証するために、プログラミングし、ワークステーション上で大規模なデータのもとで計算機実験中である。さらに、得られた成果を学術論文として内外の学会等で発表した。
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