研究概要 |
1 実ワークフローの分析 東京地区でフィールドリサーチを実施し,電子情報通信学会の投稿論文査読進捗管理ワークフローを中心に分析した.その結果,200ノードのワークフローを得た.現在のところ, (1) データ変更を伴う処理の手戻りと,変更を伴わない手戻り(単なる参照,データ打ち出し)の明確な区別が必要 (2) 帳票一枚の処理と,複数帳票への一括処理の併用が必要 (3) 電子メール,FAX,郵送の3種類の連絡手段がフローを極めて複雑なものとしている. を分析結果から,痛感している.今後は,このワークフローと制約表現との親和性について検討する. 2 制約プログラミングアルゴリズムの研究 エージェントモデルを導入した制約プログラミングによるワークフロー実現手法について研究を進めた.これについては,小規模なインプリメントにとどまっているが,結果は,国際会議等で報告している.更に,今後は,XMLによる帳票のインプリメンテーションが急速に普及する可能性が高い.従来の我々の制約プログラミング研究は,データはフレームオブジェクト形式であることを前提としていたが,繰り返し構造を持つXMLへの拡張が考えられる.また,逆に,XMLは従来のSGMLに比べて,シンタックス全体が簡明である.SGMLフルスペックに対しては,制約プログラミングでは,対応できなかったが,制限されたSGMLであるXMLに対する適用性を,早急に確認する必要がある.
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