研究概要 |
1.音高知覚に対する音脈の影響 音高知覚に関して,同時的/継時的に提示された複数の音列中の特定の音の高さの弁別閾を比較した結果,音脈の影響は小さいことが明らかになった. 2.多重奏の分離のための基本周波数の分離抽出 「多重調波横造モデル」を提案し,多重奏の分離への有効性を,ギターの6重奏音について検討し,和音関係にある6重奏音に対しても80%程度同定できることを確認した. 3.ステレオ感を生じさせる音響ストリームの実現可能性に関する実験的検討 先行音効果を利用したステレオの実現可能性をMIDI音源を用いた5重奏音について,実験的に検討した.また,周期音に対する方向定位感についても検討した. 4.音楽ストリームとしての和音進行のアルゴリズム表現 自然な和音進行感を与える和声学の規則群をアルゴリズムの形で計算機上にインプリメントし,それを和声の学習システムに応用する可能性を検討した. 5.楽曲中の関係調旋律の抽出 スタンダードMIDIファイル形式で与えられた旋律情報を音程列情報に変換し,それに基づいて関係調旋律を抽出して,局所調の判定によって動作を確認する方式を開発した.
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