研究概要 |
近年,複数の作業者によって行われる定型的な作業を支援するグループウェアとしてワークフロー支援システムが盛んに研究・開発されている. 本研究では,我々の先行研究であるワークフローのRDAPモデルを基に、従来の支援システムの問題であった複雑かつ大規模な作業、動的な作業変更への対応を可能とするための拡張RDAPモデルの構築を行っている. RDAPモデルは,R(Role):作業の実施者を抽象化した役割,D(Data):役割が作業を行うための必要な情報やそれを作成する際に必要なフォーマットであるデータ.A(Action):作業の中で役割があるデータを基に、別な役割へ送るデータを作る行為,P(Protocol):役割間でのデータの流れ,の4つの要素から,ワークフローを定式化するモデルである.拡張RDAPモデルでは,これらの,要素に池の種類の要素を記述,また,他のワークフローを扱えるような記述(ワークフローのメタレベル記述)を可能とする記述体系である.また拡張RDAPモデルによって,作業の動的な変更への対応や、大規模かつ複合的な作業形態に対応できるなど作業の様々な形態・性質に対応したワークフロー記述が行えることを考察した. さらに,拡張RDAPモデルの実用性の評価を行うために,以下の3種類のアプリケーションへの適用を考察した. (1)作業者探索支援システム:作業グループ立上げ時のメンバ選択の作業の流れを支援するシステム,(2)電子掲示板選択支援システム:電子掲示板への過去の投稿状況をもとに,掲示板への投稿の作業の流れを支援するシステム,(3)コミュニケーションのためのメディア選択システム;ユーザの過去の作業履歴を基に,コミュニケーションに最適なメディアの選択支援を行うためのシステム.
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