研究概要 |
本研究は可視化システムが提供する視覚的なプログラミング環境を,拡張可能データベース管理システムが提供する抽象データ型の構成と利用に供することによって,一般利用者であっても必要な検索用関数を容易に作成できるようにすることを目的とする. 本年度の研究では,可視化システムの一つであるKhorosとデータベース管理システムPostgreSQLを利用し,検索関数と問合せ設計に係わる最も基本的な機能を実装した.可視化システムを利用して設計されたデータベース検索用の関数は,今回開発したソースレベル変換の機能によってデータベース管理システムで実行可能な利用者定義関数に変換される.これにより,新規の対話的開発と,既存のKhorosモジュールの再利用の双方が可能となるため,検索関数開発作業の簡略化と,PostgreSQLのサーバ内プログラムに関する知識の無い利用者でも自分の必要とする検索述語の構成が可能となる.更に,問合せの記述が可視化システムとの利用者対話で行えるように,問合せ構成用モジュールを実装した.数値・文字データ以外のデータが問合せで利用される場合には,画像データなどの入力や結果の視覚的なプラウズも重要な要素となるが,従来の文字ベースの問合せインターフェースにはこれらの機能は含まれないため,専用にソフトウェアを作成する必要があった.新規に開発したモジュールを利用すると,多様なマルチメディアデータの問合せが,アイコンによる対話的なプログラミング環境から可能になり,サーバアクセスプログラムの知識の無い一般利用者であっても問合せ構成が可能となる. 来年度は,現在のシステムを更に発展させ,情報可視化技術を問合せに利用するための方法論の確立と,システム実装の安定化を進める予定である.
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