研究概要 |
本研究の目標は,多様な画像に適用できる文字・線図形抽出方式を開発することにあった。文字抽出方式としては、1.雑誌表紙画像からの文字列抽出方式 2.ニュース映像からのテロップ抽出方式を開発した。1の方式は、差分Top-hat演算による画像分割に基づいた方式であり、部分ヒストグラム法による2値化処理、抽出領域の競合解消処理などの部分に重点を置き研究を進めた。2の方式は、主にTop-hat変換などのモルフォロジィ演算に基づいてテロップフレームの検出と、テロップ領域の抽出を実現している。線図形としては、道路面の路面要素(ひび、白線、黄線、ジョイント)を対象として取り上げ、路面要素抽出方式を開発した。ひび抽出を例に取ると、ひびは形状が曖昧であり、背景部と低コントラストであることなどから従来方式では抽出が困難であったが、top-hat変換とヒストグラム変換処理による鞍上点の検出を新たに開発することによりひびの高精度の抽出を実現している。また,抽出対象としての画像データを収集・分析し画像データベースを構築も併せて行った。さらに,今回開発方式はいずれも主要な処理にモルフォロジィ演算を用いており、モルフォロジィ演算の逐次計算機での演算速度の遅さが処理時間の増大を招いている。これを解消すべく、モルフォロジィを並列計算機上に実装するうえでの検討を行った。また、抽出領域の競合解消のための制約充足問題に関する検討も併せて行った。
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