研究課題/領域番号 |
10680409
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
横田 一正 岡山県立大学, 情報工学部・情報通信工学科, 教授 (10273484)
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研究分担者 |
劉 〓江 岡山理科大学, 総合情報学部, 助教授 (70252624)
三宅 忠明 岡山県立大学, 情報工学部・情報通信工学科, 教授 (90229815)
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キーワード | 文学データベース / 文書管理 / XML / 比較文学 / 電子化文書 / 構造化文書 |
研究概要 |
本年度は、ケルト(アイルランド)文学の代表的伝承物語である、電子化された『デァドラ伝説』をデータベース化するための(テキストや構造化文書の他に内容記述を格納可能にする)データモデルを検討し、文学データベース構築の方法論を確立し、比較文学的解析ツールを整備し、いくつかの変種を,格納した『デァドラ伝説』データベースを具体的に実現することを目的とした。本研究は題材として『デァドラ伝説』を取り上げているが、本研究内容は必ずしもこの題材に依存したものではなく、今後も構築が考えられるさまざまな文学データベースに対して、さらにはさまざまなデータ形式で格納されている電子化文書に対しても有効なものであり、情報科学・情報工学からの文学研究に対する大きな貢献となることを目指している。 本年度の研究成果は以下の通りである。 ●『デァドラ伝説』に限らずより一般的な文書をサポートするため、XMLに基づいた文書管理モデルを提案し、4つの『デァドラ伝説』、LaTeX文書などを対象に文法記述と構文解析によりXMLの構造化文書を生成するシステムを構築した。 ●構造化された電子化文書を対象に、索引抽出、構文的条件を含む検索、総索引表出力、語の頻度表出力などの機能をもつシステムを実現した。さらに比較文学研究のために、複数文献を対象にした索引のマージ機能も実現した。 ●論理的に関連する複数の文書(文書詳)を対象にした操作系とその実現アルゴリズム、および一貫性制約の検討を行なった。この準備として複数文書を関連付けるリンクエディタを実現した。 ●任意の情報を付加できるメモ記述を実現するために、XMLオブジェクトの拡張を演繹オブジェクト指向言語QUIKで記述することを検討し、意味管理、リンク管理、拡張検索機能を検討した。また利用者ごとのビューを実現するために、XMLタグのフィルタリング機能をもったブラウザの検討も行なった。 これらさまざまな文書データを管理するためのデータベースエンジンとしてはObjectStore PSE/Pro for Javaで実験を行なっている。
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