研究概要 |
本研究は、ネットワーク上での仮想コミュニティを構築運営するための構築過程モデルとその構築支援技術、運営支援技術を開発することを目的にしている。特に、コミュニティの運営管理者が運営しやすくさせるための仮想コミュニティを構築運営するのに重要な仮想コミュニティ構築過程のモデル化と運営管理者向け情報ディレクトリ用アクセス手法の開発を行っている。 平成10年度は,上記の2点に関して各々、以下に示す研究を実施した。 (1) コミュニティ構築過程のモデル化とその支援方法を明らかにした。構築過程のモデルとしてJoin-Enioy-Group-Localize-Organize(JEGLO)モデルを提案した。また、仮想コミュニティの発展段階を客観的に理解できるようにするために、仮想コミュニティの活性度を提案した。本活性度は、仮想コミュニティ内で行われる会話の頻度、話題の継続時間などから指標化した数値である。閉じた世界でおよび経験ある管理者とのヒアリングにより簡単な評価を行い、その有効性を確認した。 (2) コミュニティ運営管理者向けの情報ディレクトリアクセス方式を開発した。運営管理者が構築よく仮想コミュニティ内で行われる会話内容の検索、モニタリングを可能とするために、従来の検索エンジンのデータの格納構造を効率化した新しい方式を提案した。これはベクトル空間圧縮モデルによる格納構造であり、簡単なシミュレーションによって、検索条件として与えるキーワードの個数にかかわらずアクセス回数にばらつきが少ないという効果を確認した。さらに、管理者による検索効率をあげるために、時間制約下での検索スケジューリング法や検索条件が曖昧な場合の試行銘誤的検索方式を提案した。いずれも簡単な評価により効果を確認した。
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