研究概要 |
本研究は、ネットワーク上での仮想コミュニティを構築運営するための構築過程モデルとその構築支援技術、運営支援技術を開発することを目的にしている。特に、コミュニティの運営管理者が運営しやすくさせるための仮想コミュニティを構築運営するのに重要な仮想コミュニティ構築過程のモデル化と運営管理者向け情報ディレクトリ用アクセス手法の開発を行っている。 平成11年度は,上記の2点に関して各々、以下に示す研究を実施した。 (1)コミュニティ構築過程のモデル化とその支援方法を開発 構築過程のモデルとして開発したJoin-Enjoy-Group-Localize-Organize(J-E-G-L-O)モデルをもとに、各段階でのコミュニティの活発さを示す活性度を開発した。この活性度は、発言数や参加者数等の活発なコミュニティほど高い数値を示す情報を用いて重み付け積算した正規化指標である。この活性度により、コミュニティの課題、発展方向が明確化されると考える。この活性度を様々な現実のコミュニティに適用し時間的変化を定量的に観察するとともに、管理者の主観との相違を検証した。さらに、活性度とともに、コミュニティの成熟の度合いを示す成熟度の検討を進め、発言数の時間的推移を変換した正規化指標を導出した。これら、活性度と成熟度により、前記JEGLOの構築過程の発展段階の再定義を行った。 (2)コミュニティ運営管理者向けの情報ディレクトリアクセス方式を開発 開発した多次元ベクトルモデルの効率化方法をシミュレーションし検索効率の評価を行った。その結果、通常の検索で使用される5個程度のキーワードによる検索で十分に効率よくアクセスできることを確認した。さらに、コミュニティで交わされるマルチメディア情報の効率的検索のための格納構造の検討を行った。また、管理者向けの検索方法として開発した評価基準や情報認識時間による検索情報の提示順序のソーティング手法を発展させ、管理者向けのディレクトリサービスとしての機能、構成の提案を行った。
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