研究概要 |
(1)一つの地域や国家を越えた地域の多様な集団(国家など)、グループ、パーティが共用する公共的なインフラストラクチャーを整備する方法として、近年、注目を集めているBOT(Build, Operate and Transfer)方式について考察、整理した。従来、国際公共インフラ建設のためには国際プロジェクトが組織され、その推進に必要な資金はプロジェクト・ファイナンスで調達されているが、本研究ではBOT方式と従来のプロジェクト・ファイナンスとの違いを、数学モデルを用いて解明し、発展途上地域で国際的な公共インフラを建設、整備する方策としては、BOT方式が適していることを明らかにした。 (2)東シナ海とアンダマン海を結ぶ運河として200年以上前に構想が提案されながら、未だに実現していないタイ国南部クラ地峡に建設が計画されているクラ運河について、AHP技法を使って建設ルートの評価と選定を行う「AHP技法によるクラ運河ルートの評価」を発表した。 (3)日本グローバルインフラストラクチャ研究財団と共にバングラディシュ国内の低湿地帯で毎年繰り返される洪水防止、インドでの電力需要、ネパールでの灌漑・飲料水取水等のために計画されている「東ヒマラヤ水系超広域河川管理事業」の中でガンジス川上流に計画されている多目的ダム建設事業に理論モデルを適用する研究を行った。
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