研究概要 |
1.準凹関数である線形乗法関数を目的関数に持つ数理計画問題min{Π_<k=1,...,p>(c^kx+d_k)|Ax【less than or equal】b}に対して理論と算法の研究を行った.この問題はpが大きい場合に正確な最適解を求めることが非常に困難な問題である.従来の近似算法に対して以下の2つの改良のアイデアを試みた:(1)探索の初期点となるパレート最適端点の探索方法の改良,(2)パレート最適なフィエスの構成方法.そして,計算実験によって得られた解の精度を比率(z_<max>-z)/(z_<max>-z_<min>)で評価した.ここで,z_<max>,z_<min>はそれぞれ,パレート最適端点のなかで最大と最小の目的関数値であり,zは提案した算法の与える解の目的関数値である. 2.ネットワーク流の制御可能性に制限がある状況では,最小流量を持つ極大流が重要となる.これは,「最も効率悪く」利用した際のネットワークの効率を示す指標である.最小流量を持つ極大流を求める問題は多目的計画問題のパレート最適解上での線形関数の最小化となるが,多目的計画問題の目的関数の個数が問題の変数の個数に比べ十分に小さいとの仮定をおいている従来の方法の効率が期待できないので,隣接パレート端点を辿る局所探索法に,T.Q.PhongとJ.Q.Tuyenによって提案された局所最適解から抜け出す工夫を取り入れた新しい方法を提案し,数値実験を行い,その性能を評価した.
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