研究概要 |
本研究は,研究開発計画・管理論の構築を目指す研究の一環として,特に,「革新的研究開発の構想立案機構」に着目し,その解明と効果的な機構の構成を実証的に試み,この分野における研究法確立に一歩を踏み出すことを目的としている. 平成10年度に行った日本企業の研究開発の現状に関するアンケート調査で明らかになった重要事項,即ち,(a)「技術戦略の確立」と(b)「研究開発人材の育成と活用」に的を絞って,さらに,詳細な研究を実施するために,代表的研究開発型企業の企画担当者,研究管理者,研究者などをも含む9人からなる研究ワーキンググループを組織化した. そこでの研究の結果,まず,(a)に関しては,「全社技術戦略文書の強化」,「企業提携項目の明記」,「企業ビジョンの明記と公表」,「戦略策定組織の確立」,「全社経営戦略文書と全社技術戦略文書の統合化」の確立が必要であることを明らかにした.さらに,(b)に関しては,研究開発の実施機能と分離した「高層立案機能」の重視が重要であることを明らかにした.特に,事業戦略と整合する研究開発目標を創設し構想を練り上げて,研究開発プロジェクトの実現に対してリーダーシップをとれる研究開発の中核的な人材として,「構想立案型人材」の役割とその効果的な活用に対して第1次具体案を策定した.
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