研究概要 |
革新的テーマの生成過程の研究を,認知科学のアプローチである「創造的認知」の観点から行った.この結果、従来提案されている「ジェネプラモデル」を改良することができた。即ち、前段階でまず「発明先行構造」を生成し,次いで,それを後段階で解釈するという二つのプロセスからなるとする従来モデルに対して、本研究では、前段階においても、部分的(ユニットと呼ぶ)な「発明先行構造」の生成とその解釈を行っていることを明らかにした。これによって、現実の研究開発が対象とする複雑な部品からなる新製品開発にたいしても適用可能となるモデルを提案できたことになる。 ついで、本研究は、現実の企業における研究開発への「改良型ジェネプラモデル」の適用可能性を確認するための実験を行った。住友3M社の実際の技術部品を用いて、住友3M社の実際の事業分野での発明品を生成するとう現実場面での模擬実験を行った。その結果、部品の与え方や事業分野の指定の仕方によって、創造的発明品の出現が変化することを確認できた。これにより、「改良型ジェネプラモデル」は、現実の新製品開発の高率化をすすめる上で有効なツールとなることを明らかにできた。
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