1999 年度実績報告書

危機管理システムにおける情報システムの有効活用と意思決定

研究課題

研究課題/領域番号	10680424
研究機関	電気通信大学
研究代表者	田中健次電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (60197415)
キーワード	危機管理 / リスク・マネジメント / 情報システム / 意思決定 / 防災システム / 緊急時対応 / 組織事故 / 災害情報
研究概要	平成10年度は単一組織内での緊急時における情報システムの有効活用に着目、解析したが、平成11年度は、その結果をベースに複数組織間の情報伝達と協調的意思決定の問題に対象を拡大した。初めに、縦割り組織や複数組織が存在する場合、各組織がいかに他組織の意思決定に関する情報を得、あるいは連絡を密接に取りながら協調して対策すべきかを、ポリエージェントシステムモデルを利用して解析した。自然な情報流通を狙った新しい重複型ネットワークを提案し、その効果を並列遺伝的アルゴリズムを利用したモデルでシミュレーション評価した。その結果、有効性を期待されているインタネット型の情報システムよりも重複型ネットワークの方が優位である点が確認された(経営情報学会にて発表)。また、緊急時に情報が集まらない場合の意思決定方法に着目、受動的な情報待ちでなはく自発的に情報を収集する方式を考察した。安全監視システムの数理モデルを適用して解析した結果は日本災害情報学会で発表、さらにインタネットを利用した画像情報の利用可能性など状況把握の有効性も考察した。複数組織の連携活動に関して、米国のFEMA(緊急事態管理庁)の類の組織が日本の社会システムの中で機能しうるか、その構築可能性を検討しはじめた矢先の99年9月30日、東海村の民間ウラン加工工場で臨界事故が発生したため、その事故解析を行うことにより情報システムの問題点を整理、特に日本特有の特徴を抽出した(社会情報システム学シンポジウムで発表)。組織事故としてのこの解析は、災害対策のみならず危機管理システム一般への提言へと結びつくものだが、当初予定していたその標準化に至るには、さらなる解析評価の積み重ねが必要であり、今後の課題とした。年度末にはこれらの結果について、組織リスクの権威、英国マンチェスター大学リーソン教授のレヴューを受け予想される問題点などの指摘を受けた。

研究成果

(14件)

すべてその他

すべて文献書誌 (14件)

[文献書誌] 田中健次(伊藤、後藤): "状態判定における時間制約のニューマンエラーへの影響"日本設備管理学会春季研究発表大会論文誌. 1-8 (1999)
[文献書誌] 田中健次(伊藤、後藤): "状態判定の誤りへの時間制約による影響"第29回信頼性・保全性シンポジウム発表報文集. 263-268 (1999)
[文献書誌] 伊藤誠(安部、田中): "自動化システムに対する信頼感の推移"第29回信頼性・保全性シンポジウム発表報文集. 269-274 (1999)
[文献書誌] 安部康也(伊藤、田中): "自動化システムの誤動作の発生パターンとオペレータのtrustの推移"第38回計測自動制御学会学術講演会予稿集. 597-598 (1999)
[文献書誌] Ito (Abe and Tanaka): ""Trust in and Use of Automation""Proc.of IEEE Int.Conference on SMC. III. 715-720 (1999)
[文献書誌] 田中健次: "状況不確定時における救助支援行動基準とメタシステム"日本災害情報学会. 219-226 (1999)
[文献書誌] 井口亘(田中,伊藤): "異質センサによる安全監視システムの信頼性解析"第42回自動制御連合講演会講演論文集. 299-300 (1999)
[文献書誌] 田中健次(伊藤): "重複型ネットワーク組織と縦割組織における情報波及の比較"経営情報学会1999年秋季全国大会予稿集. 135-138 (1999)
[文献書誌] 水野義之(越智,田中): "臨界事故周辺住民の健康状況推測と対策"治療. 82-1. 91-98 (2000)
[文献書誌] 平澤奈美(伊藤,田中): "ウラン加工工場臨界事故-組織事故の観点からの解析"第6回社会情報システム学シンポジウム講演論文集. 35-40 (2000)
[文献書誌] 木部高嗣(田中,伊藤): "日本における救急搬送でのヘリコプターの活用とその有効性評価"第6回社会情報システム学シンポジウム講演論文集. 83-88 (2000)
[文献書誌] 井口亘(田中、伊藤): "適応的情報統合を用いた移動型異質センサ群の信頼性解析"第12回自律分散システム・シンポジウム講演論文集. 131-136 (2000)
[文献書誌] 田中健次: "臨界事故災害:情報公開の意義について"第5回日本集団災害医学会抄録. 48-48 (2000)
[文献書誌] 田中健次: "緊急時対応に有効なポリエージェント型マネジメントシステム"日本機械学会RC155研究分科会西遊報告書. 229-234 (1999)

1999 年度 実績報告書

危機管理システムにおける情報システムの有効活用と意思決定

研究代表者

田中 健次 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (60197415)

研究成果

[文献書誌] 田中健次(伊藤、後藤): "状態判定における時間制約のニューマンエラーへの影響"日本設備管理学会春季研究発表大会論文誌. 1-8 (1999)

[文献書誌] 田中健次(伊藤、後藤): "状態判定の誤りへの時間制約による影響"第29回信頼性・保全性シンポジウム発表報文集. 263-268 (1999)

[文献書誌] 伊藤誠(安部、田中): "自動化システムに対する信頼感の推移"第29回信頼性・保全性シンポジウム発表報文集. 269-274 (1999)

[文献書誌] 安部康也(伊藤、田中): "自動化システムの誤動作の発生パターンとオペレータのtrustの推移"第38回計測自動制御学会学術講演会予稿集. 597-598 (1999)

[文献書誌] Ito (Abe and Tanaka): ""Trust in and Use of Automation""Proc.of IEEE Int.Conference on SMC. III. 715-720 (1999)

[文献書誌] 田中 健次: "状況不確定時における救助支援行動基準とメタシステム"日本災害情報学会. 219-226 (1999)

[文献書誌] 井口亘(田中,伊藤): "異質センサによる安全監視システムの信頼性解析"第42回自動制御連合講演会講演論文集. 299-300 (1999)

[文献書誌] 田中健次(伊藤): "重複型ネットワーク組織と縦割組織における情報波及の比較"経営情報学会1999年秋季全国大会予稿集. 135-138 (1999)

[文献書誌] 水野義之(越智,田中): "臨界事故周辺住民の健康状況推測と対策"治療. 82-1. 91-98 (2000)

[文献書誌] 平澤奈美(伊藤,田中): "ウラン加工工場臨界事故-組織事故の観点からの解析"第6回社会情報システム学シンポジウム講演論文集. 35-40 (2000)

[文献書誌] 木部高嗣(田中,伊藤): "日本における救急搬送でのヘリコプターの活用とその有効性評価"第6回社会情報システム学シンポジウム講演論文集. 83-88 (2000)

[文献書誌] 井口亘(田中、伊藤): "適応的情報統合を用いた移動型異質センサ群の信頼性解析"第12回自律分散システム・シンポジウム講演論文集. 131-136 (2000)

[文献書誌] 田中 健次: "臨界事故災害:情報公開の意義について"第5回日本集団災害医学会抄録. 48-48 (2000)

[文献書誌] 田中 健次: "緊急時対応に有効なポリエージェント型マネジメントシステム"日本機械学会RC155研究分科会西遊報告書. 229-234 (1999)

1999 年度実績報告書

田中健次電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (60197415)

[文献書誌] 田中健次: "状況不確定時における救助支援行動基準とメタシステム"日本災害情報学会. 219-226 (1999)

[文献書誌] 田中健次: "臨界事故災害:情報公開の意義について"第5回日本集団災害医学会抄録. 48-48 (2000)

[文献書誌] 田中健次: "緊急時対応に有効なポリエージェント型マネジメントシステム"日本機械学会RC155研究分科会西遊報告書. 229-234 (1999)