研究概要 |
多くの不確実性のもとての投資意思決定問題は,確率過程に対する最適停止問題として定式化できる.本年度はPoisson過程に従いジャンプをする幾何Brown運動に対する最適停止問題を精察した.この種の問題に対して,Dixit(1993),Dixit and Pindyck(1994)はSmooth Pasting Techniqueと呼ばれる手法が,その最適値関数と最適停止時刻の導出に極めて有効であることを主張し,多くの不確実性のもとでの投資意思決定問題に対して適用を試みているが,その数学的正当性については十分な検討が為されていなかった.本年度は,上記のような問題に対してマルチンゲール論からのアプローチを試みることにより,ある弱い条件のもとでその正当性を示すことができたことが主な収穫であった.
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