研究概要 |
前年度に引き続き,幾何Brown運動を含む拡散過程のインパルス・コントロールの基礎理論ついての研究を行った.これらは,オペレーションズ・リサーチ,ファイナンス,国際金融経済学,等の分野に現れる様々な問題に応用可能であり,最近とくに注目されている理論である.本年度は,ファイナンスへの応用の中でも,とりわけ,企業の最適配当政策の問題,投資信託におけるキャッシュ・マネージメントの問題,等への応用について,モデル化からそれらの解析的・数値的解法に至るまでのプロセスにおける様々な段階に関して,詳細に渡っての検討を試みた. また,市場リスクの源泉となる金融資産の市場価格の確率的変動,信用リスクの研究において最も重要な要因となる企業の寿命(倒産までの確率的時間),等の持つリスク特性の定性的な記述・表現と比較において極めて有用な概念である確率優位(確率順序)について,とくに信頼性・保全性理論における最近の研究成果に焦点を当て,検討・整理を行った.
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