研究概要 |
研究代表者の石井は以下の研究を行った.ファジィランダム組合せ最適化として最適解における情報の影響と効果的解法を提案した.ファジィランダムスパンニングツリー問題については枝コストがファジィランダムである場合に機会制約条件を考えた通常およびボトルネック型の問題を考えた.ボトルネック型の方は日本OR学会40周年記念特別論文に選ばれ掲載予定となった.ファジィランダムナップサック問題はチェコ国オストラヴァ大学で開かれた日本チェコ国際共同プロジェクト「不確実環境下での意志決定支援法」の第2回ワークショップで発表した.スケジューリング問題に関しては、まずファジィ納期でファジィ処理時間の場合に遅れ仕事数に関するファジィ概念を定義しその最小化を計るという問題をITORに発表した.production economicsには等価並列三機械問題について最大完了時間と最小納期遅れ最小化について、そのトレードオフを表す関係を求めた結果を発表した.さらに、Fuzzy Sets and Systemsでは実行可能時間や必要資源数についての情報が曖昧あるいはフレキシブルな場合について効率的解法を発表した.配置問題についても9月末のニュージィランドで行われた国際会議で"Fuzzy Random Facility Location Problem,"を発表した.研究分担者の齋藤は最適化における情報の価値の数学的基礎を与える研究を行い、以下のような成果を得た.有限次元空間上の制約条件下での非線形最適化問題から得られる非線形方程式を扱い,その数値解法に関して,超一次収束するアルゴリズムを与えた.また、最適化問題に密接に関係する変分不等式問題に関して、目的関数や制約条件の関数が必ずしも滑らかでない仮定のもとで、軟化作用素を応用した問題に帰着させ、超一次収束を示すアルゴリズムを得た.研究分担者の塩出は球面上の重み付きミニマックス型施設配置問題を考え、効率的アルゴリズムを示した.
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